http://4urchild.net/
たぶん彼らを“友達”といっても間違っていないと思う
9月の末から週二回、会社帰りにドイツ語を習いに行っている。
入学前に面接と筆記試験を受ける必要があると聞いたのだけれど、
まず初めに受けた面接にて完全な初心者であることが実証されたので、
筆記試験は免除され、一番低いレベルを受講することとなった。

クラスメートは国籍、年齢、滞在理由、ドイツ語のレベル等等あらゆる点からみて多種多様である。
国籍:モンテネグロ、スウェーデン、イギリス、ブラジル、キルギスタン、ポーランド、トルコ、インド、コソボ、スロバキア
滞在理由:駐在員、インターンシップ、ベビーシッター、現地採用、主婦
年齢:20代が主流

私にとっての不幸は、クラスには相当の上級者も在籍するため、
学習内容も通常の超初心者レベルより引き上がってしまっていることである。
これは一つ上のレベルが人数不足のために開講されなかったことと、
19時半から始まるクラスが他にないことが災いした結果である。
授業の内容に全くついていけない日もあり、予習・復習が欠かせない。

既にドイツ語で簡単な日常会話を行える人が5名いて、
私と並ぶほどの完全な超初心者が私の他に2名程いる。
他の生徒はその中間に位置し、学校でドイツ語を習った経験があったり、
聞けるし話せるのだけれど文法が苦手で筆記試験に受からなかった、
というタイプである。

さて、このクラスメート達と先日一緒に飲みに行くことになった。
集まった8名のうち、英語を話すのは私を含めて3名。
というわけで、私の場合は殆どのクラスメートとの間に共通の言語が存在しない。
私はちょっと幹事的な役割だったのだけれど、
出席すると言っていた人が何の連絡もなく来なかったり、
連絡先として聞いていた電話番号が一桁足りないためにつながらなかったり、
来ないはずの人が待ち合わせ場所に一番乗りしていたり、
予想の範囲内とはいえ、待ち合わせからして順風満帆とは言い難い状況だった。

私は簡単な単語を選んでゆっくり英語で話しかけ、知っているドイツ語で補ったけれど、
なかなか分かり合うのは難しかった。
彼らが私にドイツ語で質問をしたとしても、私は全く的外れな回答をしてしまう。
それでも根気よく、何度も何度も話しかけてくれるのがありがたい。
文化的な違いがある上に共通言語がないというのは、
友情を築くには結構厳しい条件である。
でも私達は同じテーブルにつき、真ん中に電子辞書と紙とペンを置いて、
絵を書いたり、ジェスチャーを交えたりして何かを伝えあった。

皆に聞いてみたいことは沢山あったけれど、上手く聞けなかった。
私の話をどの程度理解してもらえたのかはわからない。
その飲み会を通じて私が感じたのは、彼らもきっと“外国人”なんだということだった。
土地の言葉を理解しない私達は、ビザを持っていようと、何年この国で暮らそうと、
どれだけドイツを好きであろうと、“外国人”である。
友達も限られるし、生活事情も異なるドイツは“外国”であって、母国とは違う。
それぞれに理由があって、この国へやってきて、私達はこの国へ根付く途中の段階にいる。

私を含め、土曜日にわざわざ学校のある駅まで出向き、
コミュニケーションに苦労する相手と飲もうとするのは、
好奇心だけではないのだろうと思う。
求めているのは「他者とのつながり」であり、
少しずつでも、外国のこの地に地盤を築いてゆこうという意欲が
気が合うのかどうか、判断もつかない相手との交流に自分を駆り立てる。

恐らく縁があったから私達は出会った。
この縁を大切にしたいと思う。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索