発音記号のウソ(後編)
2011年2月18日http://soho.ioi1.net/
発音記号のウソ(後編)
皆さん、先日のクイズ、わかりましたか?CMで使われているフレーズも混ぜ込んでおいたし、「今日の1曲」の中にそのまんまってヤツもあったし、わざと1日あけて考える時間をとったし・・・で、1個わかれば芋づる式に半分以上はわかるように作問したつもりです。
では、正解発表です。
(a)ワラ= water(b)ェナィ= and I ...(c)イズネ= ...,isn’t it(d)ァリルべ= a little bit(e)アイラバ= I love her.(f)アィガリッ= I got it.(g)ァララァブ= a lot of(h)ァナプゥ= an apple(i)アィラビム= I love him.(j)ナリローォ= Not it all.(k)サルディ= Saturday(l)アィムラビネ= I’m lovin’ it.= I’m loving it.(m)ァノゥリンジ= an orange(n)モロサィコゥ= motor cycle(o)チェキラゥッ= Check it out.(p)アィガルゴゥ= I gotto go. = I got to go.(q)フォラナゥァ= for an hour(r)アィゥゲッチュ= I’ll get you.(s)テイキリーズィ= Take it easy.(t)ダルビファィン= That’ll be fine.(u)ッタィミズィッ= What time is it?(v)ゲラゥロブヒァ= Get out of here.(w)ゥエィラミニッ= Wait a minute.(x)アィゲラッパッテイッ= I get up at eight.(y)アィゥピッキューアッ= I’ll pick you up.(z)ヒウォネッゴルイーラゥ= He wanted to go to eat out.
いかかでしょうか?「えー!なんでー!!」と叫んでる方、結構多いんじゃないかなと思います。
タイトルにも書いていますが、発音記号ってウソなんです。いや、その単語1個だけを単独で発音すれば、発音記号は確かに正しいんです。以前ご紹介した発音の聞ける英英辞典サイト(で各単語を聞いてみてください。
でも単語1個だけの文なんて、ほとんどあり得ないわけです。英語では、単語が連なると学者の決めた発音記号通りになんか発音しないんです。
では、どうなるかというと・・・音が合体するんです。その他にも、生英語では発音記号とは異なる音の変化現象が出てきます。
(ここから先、聴きなれない言葉が出てきますが、これは文法用語を使わないHirosuke式解説です。)
ルール①:「変身合体」
(h)ァナプゥ= an apple や (m)ァノゥリンジ= an orange はお馴染みですよね。(q)フォラナゥァ= for an hour も同種です。(hourの h は元々読みませんから、n の合体する相手はou です。)
ルール②:「シンクロ合体」
同じ音が連続する場合に起こります。want to の場合、t の音が連続しますから、「ウォント トゥ」ではなく「ウォントゥ」になります。問題の中には、この種のものを入れていません。want to の場合、会話では更なる音の変化が起きて「ウォナ」になります。ただし、この変化は主に米語です。まじめな英国人は「ウォナ」とは言いません。
ルール③:「伸ばすLは ラリルレロ、短いLは軽く ゥ ォ」
わかりやすい例では、最近のテレビ番組名で「アンビリーバボー」っていうのがあります。(僕なりに書くと「ァンビリーバボォ」ですが。)他の例では milk。「ミルク」と何度叫んでも通じません。それより「ミゥク」または「ミォク」と言ってみてください。圧倒的に通じます。一応、これまた以前ご紹介した口の形と舌の位置が見れるサイトで「L」を確認してみましょう。(←"liquid"をクリックすると「L」が出て来ます。)ほら、「アイウエオ」っぽく聞こえますよね?でも、舌の位置や口の形を気にしすぎると口が回らなくなります。聞こえたとおりに言ってしまいましょう。上の問題で言えば、(t)ダゥビファィン= That’ll be fine. がコレにあたります。(h)ァナプゥ= an apple や (r)アィゥゲッチュ= I’ll get you. は①③が組み合わさっています。
ルール④:「強い所はより強く、弱い所はそれなりに」
英語では、いわゆる「アクセント」の部分は思いっきり強く発音しますが、それ以外は、フニャフニャって感じにしか言いません。(e)アイラバ= I love her. や (i)アィラビム= I love him. では h の音が日本人にはほとんど聞こえません。(l)アィムラビネ= I’m lovin’ it.= I’m loving it.では g を言わず、さらに「変身合体」が起きています。これと同種なのが (b)ェナィ= and I ... や (c)イズネ= ...,isn’t it です。(u)ッタィミズィッ= What time is it? では④②①が組み合わさっています。(単語の組み合わせによっては、アクセント位置さえ変わってしまう場合もあります。)
ルール⑤:「Tの音は ラリルレロ」
これは厄介です。コレも「L」と同じく、聞こえたようにそのままマネして言ってしまうのが得策です。なので、意図的に問題のほとんどをコレに絡めました。当然①②③④との合わせ技が必要です。(「音が変化する理由をどうしても知りたい」という方は、コメントください。納得できるお答えをします。でも、長ーくなるので覚悟してくださいね。)
ここでトリビアを2つ!
ジョン万次郎は、その著書の中で「スイカ」を「ワラメロン」と書いていた。
海外のレストランで、ヤクザ風に「ウォルァ!」と言うと、「水」が出てくる。
ここまで読んだ方、長くて既にイヤになってませんか?わかりますよ、その気持ち。だって、ルールは他にもまだあるんですから。書いてるほうも嫌になってきました。
では。
今日の一曲:
WINKのヒット曲のオリジナル。サビ部分が「ターニティントゥラブ」と聞こえます。 mode=related search=
歌詞:
ご本人のものが見つからなかったので、Kylie Minogueのカバー・バージョンで。
発音記号のウソ(後編)
皆さん、先日のクイズ、わかりましたか?CMで使われているフレーズも混ぜ込んでおいたし、「今日の1曲」の中にそのまんまってヤツもあったし、わざと1日あけて考える時間をとったし・・・で、1個わかれば芋づる式に半分以上はわかるように作問したつもりです。
では、正解発表です。
(a)ワラ= water(b)ェナィ= and I ...(c)イズネ= ...,isn’t it(d)ァリルべ= a little bit(e)アイラバ= I love her.(f)アィガリッ= I got it.(g)ァララァブ= a lot of(h)ァナプゥ= an apple(i)アィラビム= I love him.(j)ナリローォ= Not it all.(k)サルディ= Saturday(l)アィムラビネ= I’m lovin’ it.= I’m loving it.(m)ァノゥリンジ= an orange(n)モロサィコゥ= motor cycle(o)チェキラゥッ= Check it out.(p)アィガルゴゥ= I gotto go. = I got to go.(q)フォラナゥァ= for an hour(r)アィゥゲッチュ= I’ll get you.(s)テイキリーズィ= Take it easy.(t)ダルビファィン= That’ll be fine.(u)ッタィミズィッ= What time is it?(v)ゲラゥロブヒァ= Get out of here.(w)ゥエィラミニッ= Wait a minute.(x)アィゲラッパッテイッ= I get up at eight.(y)アィゥピッキューアッ= I’ll pick you up.(z)ヒウォネッゴルイーラゥ= He wanted to go to eat out.
いかかでしょうか?「えー!なんでー!!」と叫んでる方、結構多いんじゃないかなと思います。
タイトルにも書いていますが、発音記号ってウソなんです。いや、その単語1個だけを単独で発音すれば、発音記号は確かに正しいんです。以前ご紹介した発音の聞ける英英辞典サイト(で各単語を聞いてみてください。
でも単語1個だけの文なんて、ほとんどあり得ないわけです。英語では、単語が連なると学者の決めた発音記号通りになんか発音しないんです。
では、どうなるかというと・・・音が合体するんです。その他にも、生英語では発音記号とは異なる音の変化現象が出てきます。
(ここから先、聴きなれない言葉が出てきますが、これは文法用語を使わないHirosuke式解説です。)
ルール①:「変身合体」
(h)ァナプゥ= an apple や (m)ァノゥリンジ= an orange はお馴染みですよね。(q)フォラナゥァ= for an hour も同種です。(hourの h は元々読みませんから、n の合体する相手はou です。)
ルール②:「シンクロ合体」
同じ音が連続する場合に起こります。want to の場合、t の音が連続しますから、「ウォント トゥ」ではなく「ウォントゥ」になります。問題の中には、この種のものを入れていません。want to の場合、会話では更なる音の変化が起きて「ウォナ」になります。ただし、この変化は主に米語です。まじめな英国人は「ウォナ」とは言いません。
ルール③:「伸ばすLは ラリルレロ、短いLは軽く ゥ ォ」
わかりやすい例では、最近のテレビ番組名で「アンビリーバボー」っていうのがあります。(僕なりに書くと「ァンビリーバボォ」ですが。)他の例では milk。「ミルク」と何度叫んでも通じません。それより「ミゥク」または「ミォク」と言ってみてください。圧倒的に通じます。一応、これまた以前ご紹介した口の形と舌の位置が見れるサイトで「L」を確認してみましょう。(←"liquid"をクリックすると「L」が出て来ます。)ほら、「アイウエオ」っぽく聞こえますよね?でも、舌の位置や口の形を気にしすぎると口が回らなくなります。聞こえたとおりに言ってしまいましょう。上の問題で言えば、(t)ダゥビファィン= That’ll be fine. がコレにあたります。(h)ァナプゥ= an apple や (r)アィゥゲッチュ= I’ll get you. は①③が組み合わさっています。
ルール④:「強い所はより強く、弱い所はそれなりに」
英語では、いわゆる「アクセント」の部分は思いっきり強く発音しますが、それ以外は、フニャフニャって感じにしか言いません。(e)アイラバ= I love her. や (i)アィラビム= I love him. では h の音が日本人にはほとんど聞こえません。(l)アィムラビネ= I’m lovin’ it.= I’m loving it.では g を言わず、さらに「変身合体」が起きています。これと同種なのが (b)ェナィ= and I ... や (c)イズネ= ...,isn’t it です。(u)ッタィミズィッ= What time is it? では④②①が組み合わさっています。(単語の組み合わせによっては、アクセント位置さえ変わってしまう場合もあります。)
ルール⑤:「Tの音は ラリルレロ」
これは厄介です。コレも「L」と同じく、聞こえたようにそのままマネして言ってしまうのが得策です。なので、意図的に問題のほとんどをコレに絡めました。当然①②③④との合わせ技が必要です。(「音が変化する理由をどうしても知りたい」という方は、コメントください。納得できるお答えをします。でも、長ーくなるので覚悟してくださいね。)
ここでトリビアを2つ!
ジョン万次郎は、その著書の中で「スイカ」を「ワラメロン」と書いていた。
海外のレストランで、ヤクザ風に「ウォルァ!」と言うと、「水」が出てくる。
ここまで読んだ方、長くて既にイヤになってませんか?わかりますよ、その気持ち。だって、ルールは他にもまだあるんですから。書いてるほうも嫌になってきました。
では。
今日の一曲:
WINKのヒット曲のオリジナル。サビ部分が「ターニティントゥラブ」と聞こえます。 mode=related search=
歌詞:
ご本人のものが見つからなかったので、Kylie Minogueのカバー・バージョンで。
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